カットの話をするにあたり、そもそものお話をしたいと思います。
美容の技術の中で一番好きな事は話す事です。これだけは絶対に譲れないところで、他の美容師よりも強みだともいます。話のバリエーションも他の30歳の美容師よりも沢山あると自負しています。
いくつか理由はあるんですけど、とりあえずはなんでも「やってみる」をモットーにしています。そのお蔭で様々な事を学ばさせていただいています。
もう一つはなんでもやってみる際に、様々な業種の方や現地の人たちとの会話を心がけているので多くの話を聞くことが出来ています。
今は、もっと社会の事や歴史の事など体験では得る事の出来ない学問を少しずつでも学んで行けたらなと思っています。
30代で見えてきたもの
カットを考えると今の時間では足りないとまずは思います。
ショートカットやボブなどの短い髪型を得意として仕事をさせていただいていますが、やはりまだまだ甘い部分も多くあるなと日々感じます。
今年で32歳になりますが、30歳の時に壁にぶつかったので基礎をやり直しました。
基礎の基礎。ハサミの持ち方→ハサミの入れる方向や角度→コームの角度→コームの入れ方やとき方・・・・
美容学校で一番最初にする事から考え直しました。
髪型のスタイルはウイッグで切れば確実にスタイルを切る事は出来るので改めてする事ではないと思っています。そもそもこれができなかったら・・・
よーく考えるとハサミを平行に入れるかどうかで5㎜はラインがずれます。そしてコームで髪をとく際にもコームの歯を頭皮に立てるようにしてとかすのか、それともコームを回転させてとくのかで5㎜前後はラインがずれます。
コームを立てながら下におろすのが下の画像のやり方
その2つの項目だけで1㎝はずれてしまう・・・
このハサミとコームについて考え基礎の基礎からの研究。
その次にベーシックなスタイルを復習。そもそも髪型を作る際の基礎は、カットしたラインを繋げながら形を作っていきます。
2次元、平面で簡単に説明すると切り絵みたいな感じです。ハサミでチョキチョキずーっと繋げていって開いたら一つの絵になっている感じです。
髪型はそれの3次元バージョンです。
こんな感じで、頭皮と反対側の面通りにハサミを入れて行けば左のような形のスタイルになります。
暫くはこのような感じでベーシックカットを重点的にしていました。
ですが、どうしてもしっくりいかない部分が出てきました。
それは、人それぞれ更には頭の部分でもクセが違うので少しズレたりする事でした。パッと見のスタイルはキレイに収まっているけどご自宅での再現度とフィット感。
フィット感は、セニング(毛を梳く事)でどうにでもなるが今回は梳かずに髪を切断するという工程で再現する為にはどうするか。
それを考えると必ず必要になる事。それは、ディスコネクション(繋げない)。
上の繋げて切るカットと少し違うのがわかりませんか??
頭皮と反対の面が線で繋がらずに凸凹した感じになっています。これが、ディスコネクション。
男性の2ブロックのカットもディスコネクションスタイルになります。
どこを抉って、どこを残すのか??彫刻のようにな感じですかね??
いらない部分を削るんですけど、昔からこの手法は使っていて骨格に合わせて~みたいな感じで言っていた時によくしていました。
ですが、今考えるとちょっぴり恥ずかしくなります。ただの頭の凹凸を考えるのみでのカットでした。
頭にでっぱりがあるからその部分は削ってたりなど。
もちろんそれは大事なんですけど計算が出来ていませんでした。他の美容師に聞いても「感覚だよ」しか言われなかったりしました。確かに経験則による感覚も大事なんですけどそれに頼り過ぎると再現度が無くなってしまう。
なぜならヘアセットやブローするのはお客様自身だから。
お客様が家に帰って再現できることが一番大事でそれをする為には、感覚に頼るのではなく理論的なバランスを取る事。
バランスとは?
カットについてブログを書いていたら長くなりそうなので2部作にしようと思います。
そもそも、この世の中でカッコいいや可愛い、素敵、キレイなどっていったいなんだと思いますか??
似合っていること??
それとも、顔型が幼いから・・・・顔のパーツが広いから〇〇した方が良い!
本当にそれが大事なのか?なぜそんな事が言えるのか??
面長だから〇〇した方が良いやしない方が良いってあまりにも漠然としていませんか??
もっと理論的な根拠が欲しくないですか??
雰囲気で似合ってたらオッケーみたいな感じって言葉を悪く言うとバカっぽいと言いますか。
サンドイッチマンさん(富澤さん)的に伝えると、
「ちょっと何言ってるかわかんない」って感じです。
まがいなりにも美容師という漢字に「師」と言う文字が入っているのに・・・
長くなり過ぎるので続きます。